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キキさんの茶会。京都からモンマルトルへ

2017.06.09 |

6月上旬、キキさんがパリのモンマルトルで茶会を開きました。
場所は、パリジェンヌに人気のWEBサイト「My Little Paris」がスローオフィスとして使っている、緑豊かな庭に囲まれた瀟洒な住宅です。

 モンマルトルの丘を少し下ったあたり

 木々が生い茂る前庭

 待合に使われた部屋

 待合がわりの2階のリビングには、サイトの告知から申し込まれた地元の女性が娘さんや、夫を連れて集まりました。冷たい煎茶を用意したキキさんが、まず茶会の意味や流れを説明します。

「茶会では、お客様は待合から露地を通り、門を潜りぬけ、蹲の水で清めることで、俗界の塵芥を払い落とします。ここには露地はありませんが、観光地の中にあるとは思えないほど、美しい庭を通り抜けて来られたと思います。この後は、蹲の水の代わりに、3階のバスルームで手を清め、さらに階段を上がり屋根裏の茶室に入っていただきます」

 引くしは梁下はまさに躙り口

 三角の梁に囲われた屋根裏部屋には畳2畳が敷かれ、躙り口に見立てた低い梁下をくぐり抜けて席に入ります。炭火を起こした風炉には釜がかかり、書は孔子の末裔による「寧静致遠」。花入には庭の野花。

 ズッキーニと昆布の八寸


 お客さまの多くは初めての茶会。「脚を楽にして、くつろいでください」とキキさん。本来は4時間をかける茶会を、1時間半に短縮しましたものと話し、ベルギー製の酒器でお酒をふるまい、海のもの山のものを載せた八寸を団扇型の皿で供します。

 さらにキキさんはお茶の歴史に始まり、「和敬清寂」「一期一会」といった言葉を紹介して、茶会に集う意味や、他者への気遣いや物を大切にする心を形にする作法をわかりやすく伝えます。

 左は半東のアダムさん

 今回は3泊5日という短いパリ滞在の中、初日と3日目と2回茶会に参加しましたが、初日は、上田宗箇流を学び、今はパリ在住というアダムさんが半東(亭主のサポート役)を務めました。また山田宗徧流のお茶をパリで教えているジルさんも特別参加。キキさんは初日は着物、アダムさん不在の3日目は動きやすい作務衣姿でした。

 茶碗も日本の作家物、中国の天目、デンマークの器などさまざま

 八寸と酒器を皆さんが順に回して片付けると、続いてキキさんが京都から持参したお菓子をお懐紙にとっていただきます。点前が始まると、皆さんはキキさんの動き一つ一つを興味深く見つめています。薄茶を受け取ると、皆さん、崩していた脚から正座して、隣の客に日本語で「お先に」と挨拶していただきます。背筋を伸ばし胸を張った美しい姿がそれぞれに印象に残りました。

 柔道家の夫と参加した彼女。「おさきに」と一礼して茶碗を手にした

 母娘が協力して抹茶点前に挑戦

3日目は最後に、ひとりのママと9歳のお嬢さんが協力して、キキさんにお茶を点てるシーンもあり、座はいっそう和やかになりました。茶会が終わり、皆さん再び梁下を潜りぬけると、邸内のお洒落なインテリアを見て回りました。壁面に日本人の女性イラストレターが描いた素敵な部屋もあり、パリならではの茶会が楽しめました。


 1階のダイニングルーム 「My Little Paris」の絵をすべて描くKANAKOさんの作品


 夏にいったん日本に戻り、秋にはニューヨークでの茶会の計画があるというキキさん。その活動からますます目が離せません。