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スペインで「暮らす旅」2 マドリードへ 

2017.09.06 |

 前回に続きマドリードの話を書いていたら、バルセロナでテロが起きてしまいました。かつてよく歩いた目ぬき通りのランブラスで、ワゴン車が歩行者めがけて暴走したのです。ここ数年ロンドン、パリ、ベルギーなどヨーロッパ各地でテロが頻発していますが、スペインでは15年前マドリード郊外で起きた列車の爆弾テロ以来なかったので、海外からの観光客にスペインが人気だという話を聞いたばかりでした。

 

緑の豊かなオエステ公園からは王宮とアルムデナ大聖堂がよく見える。  

                              

 マドリードの中心にある太陽の広場を埋め尽くす各国の観光客の楽しげな様子が思い出され、残念でなりません。ただバルセロナには普通の生活を楽しもうと、いまも多くの観光客が訪れているようです。テレビのニュースでバルセロナのテロ犠牲者の追悼集会が映され、そこにはパブロ・カザルスが奏でた鳥の歌が流れていました。フランコ独裁への抵抗とその死によるスペインの解放を象徴する曲を久しぶりに耳にしました。

 

 テロの背景にある貧富の格差や憎しみの連鎖を思うと言葉もありません。ただ、ソフィア王妃芸術センターを訪れた時、ピカソの「ゲルニカ」を前にして様々な人種の人々が一様に真剣な眼差しで佇む中に身を置くと、平和への祈りのようなものを感じた気がしたのです。

 

パブロ・ピカソ 『ゲルニカ』(1937)。(出典 http://www.museoreinasofia.es/en/collection/artwork/guernica)


 今回のマドリードの旅の目的は、郊外にあるアルコベンダス盆栽博物館でした。盆栽が日本とスペインの交流を深めた物語を、ある会員誌の記事のために追いかけました。その取材拠点として選んだマドリードのホテルは、旧市街の中心、マイヨール広場の近く。バルやカフェ、レストラン、お土産店が立ち並び、地下鉄の駅もスーパーも食品店もすぐそば。プラド美術館や王宮などにも歩ける好立地でした。

 

ホテルの近くの小さな広場。正面左はカルデロン劇場、その向かいが元映画館。

 これが京都なら、どこのエリアを選ぶか、もっと細かく、四条河原町、烏丸御池、三条京阪、五条烏丸、京都駅などと絞って考えます。そのときの目的、予算、日程がまずあり、さらに食事場所と移動手段を考えて選ぶのです。京都駅周辺は移動には便利ですが、どうしても夜は祇園や木屋町にでかけたいこの身には、3番手、4番手の候補なのです。宿泊サイトを見ても、桜と紅葉のハイシーズンでも直前に予約できるところを見ると、京都駅周辺のホテルの情緒不足は否めないのでしょう。脇道に逸れました。京都の滞在術はまたあらためて紹介します。

 

 マドリードに着いた夜はなんとか11時(日本時間朝6時)まで起きていようと、ようやく陽が沈む9時半過ぎにその名もバルセロナ通りへ。人だかりの路地の両側には何軒もバルが並び、道のテーブル席はほぼ客で埋まっていますが、店内を覗くと満員でもないようです。名物料理一品で勝負するバルセロナの小さなバルの記憶とは違って、タパスを色々揃え、ビストロに近い気がしました。結局、路地の中ほどのT字路の角の店「Cuevas el Secreto 秘密の洞窟」に入り、生ハムとチーズを肴に赤ワインを2杯飲んでホテルに戻りました。グラスワインを頼む客が少ないせいなのか、どのバルでも新しいボトルを開けてくれ、得した気分でした。(次回に続く)

バルセロナ通りにはさまざまなバルが軒を連ねている。