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スペインで「暮らす旅」3

2017.11.05 |

 マドリードの話を続けるつもりが、気づけばふた月も過ぎてしまいました。筆者が脊椎化膿症でひと月あまり入院したせいもありますが、スペインではバルセロナのテロのあと、カタルーニャ州の独立をめぐり、厳しい対立が起きてしまいました。

 カタルーニャの州都であり、経済的にはスペイン一の稼ぎ頭でもあるバルセロナは、首都マドリードとの距離は600km。高速列車で約3時間と東京神戸間と同じです。ところが東京と関西以上に、言葉はもちろん文化的にもマドリードとバルセロナは大きく違います。スペインといえばすぐに連想される闘牛やフラメンコはカタルーニャでは人気がありません。バルセロナ市内にはかつてあった闘牛場も今はなく、フラメンコは観光客相手のタブラオ(フラメンンコを鑑賞できるレストランのこと)はありますが、盛んではないのです。

 カタルーニャ州議会の解散や、州首相が国家反逆罪に問われたり、独立派と反対派の対立はますます深まるばかり。この先どうなるか予断を許しません。

ホテルの有線で見た闘牛。地上波では中継がないとか。 

 それにしても今年は本当に異常気象でした。6、7月に梅雨がないかと思ったら、8月は雨ばかり、9月10月は台風も多く、今は朝晩寒いくらいの季節となりました。

 思い返せば、スペインに行く前には、ポルトガルでは山火事が起き、マドリードは40度の暑さと聞いて出発したのでした。マドリード二日目の朝は6時には目が覚め頭はすっきり。日本に戻ると時差ぼけで夜中の2、3時に目覚めてしまうのですが、旅先はこれで乗り切れます。

 8時過ぎにはホテルを出発。高速道路に入ると、視界が開け、雲ひとつない青空はどこまでも青く、地平線に見える赤茶けた山々もくっきり見えてきました。

「まさか1日ずっと雨は降らないでしょうけど」と青空を見上げるコーディネーターの小川さん。でもスマホの天気予報では明日明後日と雨と雷。

 The rain in Spain stays mainly in the plain.

ミュージカル『マイフェア・レディ』のフレーズを思い出しました。

 緑濃い日本とはまるで異なるスペインの景色。日本では愛好家がすっかり減ったという盆栽ですが、なぜか海外では盆栽がブームに。自然の違いがその理由のひとつなのかもしれません。今回の取材では、海を渡った盆栽をどうビジュアルで表現するかが大きな課題でした。壁を背にした盆栽を写すだけでは、日本もスペインも変わり映えしないからです。クラシックな建物とかスペインらしい景色を背景にできないか、企画時からの課題でした。

抜けるような青空の下、マドリード郊外へ。

盆栽愛好家のプール付き住まい。

 

  開業して23年目のアルコベンダス博物館は残念ながらモダンな建物。屋外は菩提樹の大木と池を配した回廊式の庭園で、盆栽が展示されています。地面には闘牛場の黄色い土が敷かれ、展示台にはスペインの石が使われていますが、どれも盆栽が引き立つように板壁やモルタル壁を背にしています。抜けるような青空と強い光はスペインらしいとはいえ、もうひとつなのです。

 

アルコベンダス盆栽博物館の庭園展示場。

 結局、せめて強い光は抑えたいと、取材予定を前倒ししたところ、翌日から2日間続いて雨のマドリード。その間は美術館巡りで過ごし、再び晴れ渡った空の下、残りの取材を無事終えることができました。

雨の日のプラド美術館。

日本ではあまり知られていませんが、ティッセン・ボルミネッサ美術館はオススメです。

上は壁面緑化。下は植物園のような中央駅の構内。緑への熱意が感じられます。

 

 今回は1週間の滞在だったので、スペイン料理で通すことができました。思いつくまま昼夜に食べたものをあげれば、生ハム、青唐辛子の素揚げ、ムール貝のワイン蒸し、マッシュルームのオリーブ煮、ガリシア風のタコ、イカのリング揚げ、ビーフステーキ、パエリャ、エビのアヒージョ、イワシの唐揚げなどなど。日本の居酒屋と違って、ひとつひとつの量が多く、二人で食べられるのはせいぜい3品。バルで周りを見渡しても、4、5人の家族連れが多く、二人客はデートらしきカップルくらいなのです。

とにかく量がたっぷり。二人で1人前で十分です。

エビのアヒージョが人気の店。

ムール貝の専門店。白ワインはぐい呑のような白い磁器の器でいただきます。

日本人に人気のマッシュルーム専門店。マヨール広場のすぐそば。

 ホテルの朝食はビュッフェスタイルでしたが、印象に残ったのはミキサーにかけたトマト。これをパンにすりつけ、生ハムやチーズ、オリーブをのせて食べると美味でした。ワインの肴にもなります。

 もうひとつ知ったのはコーヒーの多彩な飲み方ですが、それはあらためて紹介します。