6月5日置き花の撮影
Posted by S.
6月5日
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日本ならではの陰翳の美を語った谷崎潤一郎の「陰翳礼讚」。青空文庫で無料でも読める名作ですが、写真家大川裕弘さんの写真を添えたビジュアルブック(パイインターナショナル刊)は版を重ねるベストセラーとして、先日朝日新聞でロバート・キャンベル氏が紹介していました。
座敷にこぼれる障子越しの光りや蝋燭の灯りに照らされた金屛風、あるいは庭木の葉陰など、日本の伝統的な空間にひそむ美を、大川さんのカメラはとらえています。大川さんの写真を使うビジュアルブックの第2弾の企画があり、福太朗さんのお茶の話をしたところ、ぜひ撮影したいと話が進み、一緒に京都に行って来ました。
撮影初日は炉の点前と炭の撮影。福太朗さんには快く引き受けてもらったものの、すっかり初夏となった茶室で、扇風機や団扇を使いながらの撮影となりました。
二日目は私たちの稽古をかねて「置き花」をやりました。
以前にも紹介しましたが、花材を順に置いてゆき、全て置き終えたら、次は順に外していく。思い通りには決してならない代わりに、思いがけない変化が楽しめる「置き花」ですが、はたしてどんな本になるのか、来年早々の刊行ということで、今から楽しみです。