1月27日1月の京都総ざらえ

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1月27日 Posted by S.

京都伊勢丹にある美術館「えき」。会場の外に過去の表紙が展示されていた。左は在籍当時のもの。女優が使われる前は有 名画家の女性像が表紙を飾った。

かつて編集に携わった婦人画報が、創刊115周年を記念して「婦人画報と京都」と題した特別展を開催しました。京都の茶道、華道、絵画、工芸等は長年にわたって婦人画報が伝えて来たテーマです。誌面を飾った人びととその作品を合わせて紹介した展示は興味深い内容でした。在籍当時、取材に訪れた上村松園邸の写真などもあり、懐かしく拝見しました。半世紀近く婦人画報の写真を撮っている大川裕弘さんと今回一緒に見に行きましたが、その感慨はひとしおだったはずです。
このほか、紫宸殿の障壁画を国立博物館、ニーノ・カルーソの陶芸を国立近代美術館、名和晃平を文化博物館、若冲を髙島屋、などなどアートを堪能しました。

京都国立近代美術館にて。発スチロールの塊を切って型を作るメーキング映像が興味深かった。

三条神宮道のKUNST ARZTでは注目の若手作家、荒川朋子さんの立体を鑑賞。クスッと笑えました。

1月の茶の稽古はアート三昧の翌週に。今回は「炉濃茶蓬莱卓点前」。まるで漢詩のようですが、「ろこいちゃほうらいじょくてまえ」と読みます。塗りの棚を使うので少しフォーマルなしつらえとなるそうです。先月は薄茶運び点前でしたが、薄茶とはまた違う流れにほぼ目は「点」でした。

福太朗さんが折々に床の間をしつらえている町家宿から持って来た餅花から、柳の芽が吹いていました。

稽古場の近くで見つけたお菓子屋さんは、昨年5月にオープンした「おやつaoi」。
ネコ最中は可愛いです。味は黒糖、大納言、ピーナッツの3種あります。

さて前回お知らせした「茶の本」(パイ・インターナショナル)が先日発刊されました。岡倉天心が茶の湯の魅力を綴った名著に、写真家大川裕弘氏の写真を添えたビジュアルブックです。

オリジナルは1906年、ボストン美術館で中国・日本美術部長を務めていた天心が英文で記し、ニューヨークで出版したものです。内容は茶道の解説ではなく、中国伝来のお茶が日本で「茶道」となり芸術として大成した文化歴史を多角的に論じ、日本の美意識を海外に向けて発信したものです。天心の死後、弟子の村岡博が翻訳して1929年に日本で出版されました。建築や庭、陶芸、絵画、いけ花から衣服、所作にいたるまで、日本文化に茶の湯が与えた影響が、大川氏の写真によって、さらに深く理解できます。
この出版を記念して2月28日から3月2日まで、写真展が東京渋谷区代官山ヒルサイドプラザにて開催されます。2月29日と3月1日には、本の撮影に協力してくれた師匠の中山福太朗さんが京都から来て茶を点ててくれます。(その時の撮影風景はこちらをご覧ください)