2月14日水の都、三井寺の春へ

Posted by S.
2月14日 Posted by S.

水の都 京都」の取材で、琵琶湖疏水の源にある、大津の三井寺を訪ねたのは昨年2月でした。

三井寺の建つ長等山の下にトンネルを通し、疏水を京都に引き込んだ難工事。琵琶湖との間の水門など、まさに産業遺産(現役ですけど)の趣があり、水路脇の桜並木が,春には美しい花を咲かせます。

三井寺は正式名は園城寺といい、草建は686年というから奈良時代よりも古い。大化の改新をおこなった中大兄皇子(のちの天智天皇)が、白村江の戦いに破れ、飛鳥から大津に都を遷したのが667年。その後、大津京で亡くなった天智天皇の子、大友皇子も壬申の乱で没し、その菩提を弔うために草建されたそうです。

 三井寺の境内には天智天皇、天武、持統の産湯に使われたとされる霊泉があり、そのため当初は御井寺と呼ばれました。金堂には天智天皇が所持していた弥勒菩薩が祀られていますが、御像を納めた厨子の扉が開けられないために、秘仏となっています。三井寺は不死鳥の寺とも呼ばれ、歴史上さまざまな争乱に巻き込まれ、その度に再建されて来ました。今の金堂は秀吉の正室、北政所の寄進により再建されたものです。また境内には弁慶の引き摺り鐘や三井の晩鐘、左甚五郎作の龍などもあり、数多の物語に彩れた古刹です。ぜひ千三百の歴史を訪ねてみてはいかがでしょう。