3月8日蹴上インクラインの桜の下で

Posted by S.
3月8日 Posted by S.

満開の桜の下、線路脇の石畳の道を、ドレスの裾を持ち上げ花嫁が駆けてゆきます。見ると足下は運動靴。その後をジーンズ姿の女性がバッグを抱え追いかけます。その先にはタキシードを着た花婿が待っていました。三脚を立てカメラを構えた男性が中国語で声をかけると、カップルは互いに見つめ合います。

まわりを見ると同じようなチームが何組もいました。インクラインの桜並木は、結婚式の前撮りの名所なのです。

「水の都 京都」の撮影取材を始めたのが昨年3月。北野天満宮の紙屋川からはじまり、4月に入り琵琶湖疏水沿いの桜を追いかけました。

蹴上インクラインは琵琶湖疏水を運航する船を、台車にのせて急坂を行き来するためにつくられました。船を曳く線路の両側に延々と続く桜並木は大人気。あまり人が多くない写真をと思って朝8時前にやってきましたが、満開の桜の下のインクラインは、すでに前撮りのチームに占拠されていたのでした。

映画のワンシーンのような2人のショットは、母国に帰って本番の結婚式で披露されるのでしょう。

京都のさまざまな水の物語を紹介した「京のめぐりあい 水の都 京都」。蹴上、南禅寺の水路閣、哲学の道、そして北白川へ。疏水沿いの桜を追って歩けば、きっと新しい発見があります。ぜひ足を運んでみてください。